特別支援の教育を専門とする伊藤ゼミでは昼にお食事会。実はクリスマス会。志を同じにする仲間が集まって和やかな時間。
なんだかファミリーみたいです。
写真は、北翔大学吹奏楽団のメンバーが
12月28日(水)に開催される「第19回定期演奏会」に向けての練習をしている様子です。
「第19回定期演奏会」について
会場:わくわくホリデーホール
(札幌市民ホール)
開場17:30 開演18:00
年末でお忙しと思いますが、是非お越しください。
(北翔大学吹奏楽団 山内芳春)
大学にいながらにして、幼児教育現場の話を伺う機会を設けました。北海道私立幼稚園協会というところで取り組んでいる「幼稚園キャラバン」にいらいしていただきました。
幼稚園の園長先生からのお話やワークショップもあり、とても充実しています。
また、今年は北翔大学の卒業生の話も聞ける貴重な場になりました。
北翔大学の教授をされていた講師の舟橋安幸先生からうれしい、知らせがありました。
舟橋先生の故郷の遠軽の「広報誌」に4年生の山中くんが載っていたということで、教えていただきました。
ありがたいことです。
そして何より北翔大学学生が遠軽で活躍ということがうれしいです!
(山崎正明)
(この記事の転載については遠軽町 総務部様より許諾をいただいています。)
なお山中くんのことは遠軽町のwebサイト「e-ISM」にも掲載されています。
1年生の講義では教育学科の4コースの全員が集まって、「学び方」を学ぶ「基礎教育セミナー」というものがあります。毎回様々な内容ですが、今回は「未来像を描く」というテーマで各コースから4年生がどのようにして大学生活を送ったのかの話を聞く会です。
横山ゼミの卒業研究活動の様子を紹介していただきました。以下横山先生のからの報告です。
2人の卒業研究活動を紹介します。
2人とも出身地である地域が「ジオパーク」という活動を行っておりますが、
大学に入学してその存在を知り、もっと地域の子ども達に魅力を伝えたいと願って、そのために、異なるアプローチで活動をしてきました。
写真は「白滝ジオパークでの野外授業」
地域の岩石標本をつくり、それを使って町の中の石調べをしている様子。
彼は、白滝ジオパーク(遠軽町)の研究助成事業に応募して、補助金をもらって研究活動をしています。
また、見事公務員試験に合格ています。
写真は「洞爺湖有珠山ジオパークでの研究発表(提案)」
ユネスコ世界ジオパークの再認定審査会にて、ジオパークを素材とした研究活動の一例として発表している様子。
学校教育現場で、もっと地域のことを扱って欲しいという願いから、既存のコンテンツの改善を提案しました。
(横山光)
ポスターの説明
NHK室蘭放送局では、「どーもくんとみんなの火山防サイ劇場in豊浦」を豊浦町で実施します。
このイベントでは、NHKキャラクターのどーもくんたちと北海道生まれの防サイくんがステージショーで火山防災について分かりやすくお伝えします。
「0歳からのkitara 感じよう!音とリズム♪」(札幌コンサートホールkitara主催、10月11日11時〜12時)は無事、終了しました。今井敏勝先生のご指導のもと、夏休みを返上しての楽譜つくり、合奏練習など・・・・教育学科音楽コース3年生を中心とした学生の皆さんの並々ならぬ努力で、思い出に残る素敵なステージとなりました。小ホールバルコニーから撮影した可愛らしい客席の様子もご覧ください。
締め切り日までに約1700〜1800名の応募があったそうですが、当日は、その中から抽選で選ばれた200名の親子の皆さんが会場においでくださいました。ロビーには、主催者側が用意した保育ブース、授乳ブース、オシメ交換台ブース、等々が設けられ、安心してお聞きいただける“至れり尽くせり”の素敵なコンサートでした。
平成28年3月卒業 音楽コース 牛島義寿
「学校の先生になろう」。そう決めたのは、東京の専門学校に通っていた2年目の春。専門学校でお世話になった先生方から教職の道を強く勧められたことが大きな要因でした。しかし、専門学校では教職科目が取れず、どのような進路を経て免許取得を目指していくのか、家族のアドバイスも受けながら思索しました。
何よりも、地元北海道に恩返しがしたく、できるならば北海道で大学生活を送って教職に就きたかったのです。幸運にも編入学で学べる大学を見つけ、将来への活路を見出しました。
それが北翔大学との出会いです。
夏の終わりに面接・選考を経て、3年次に編入学しました。朝から晩まで授業の毎日…とにかく周りに付いていくだけで必死。授業の多くは2年生と一緒でした。学年(と歳)こそ違いますが、同じような将来を描く仲間と共に過ごしました。
授業はアットホームな雰囲気がありながらも、学生の教育に熱心な先生方に恵まれて、一つ一つ着実に学ぶことができました。最後の最後にはサークル活動(吹奏楽団)にも加わり、同級生・先輩・後輩…とにかく周囲の仲間に助けられた2年間は、今振り返ると、ただただあっという間の出来事でした。
そのような環境がよりよい集中へ繋がったのだと思います。北翔大学の諸先生方の手厚いサポートがなければ、今の自分自身はありえません。
将来のために必要な環境が、北翔大学には揃っています。
佐々木 邦子3・4年ゼミ活動の紹介
活動内容 裁判所で模擬裁判体験、旧北海道庁赤れんが内博物館見学、北海道議会議場見学
日 時 2016年10月31日
参加学生 3年・4年のゼミ生13名(1名は欠席)
佐々木ゼミでは、毎年実際の裁判を傍聴し昨年度からは模擬裁判体験をさせていただいております。それは、将来教員になった時に自分の教え子を被告席に立たせたくないという強い意志で生徒指導に当たってほしいと考えているからです。
今年は、開廷がなくあいにく傍聴できませんでしたので、模擬裁判体験のみをさせていただきました。模擬裁判とは、学生が裁判官・検察官・弁護士・被告・証人の役になりロールプレイングをすることです。実際の法廷で体験している様子をぜひ紹介したいのですが、残念ながら写真公開はできませんので、私の研究室においでになる機会がありましたら是非ご覧ください。
明治の初期に建設された赤れんが旧道庁の中で、北海道開拓時代の貴重な歴史的資料を見ることができます。先人が苦労の上に北海道を築き上げたことがよく伝わってきます。
赤レンガのすぐそばに北海道議会があります。今は議会の開催はありませんので、議場を見学し、担当の方からご説明をいただきました。
このような見学活動は、将来教員を目指す学生にとってとても意義のあることです。
見学と模擬裁判体験日程の最後は、3・4年生で交流を深める時間です。しっかりと見学・体験、そして最後にわいわい楽しい時間を過ごして有意義な一日を終えました。
この一日のしおりは、3年生のゼミ長と副ゼミ長が、かわいいカットを入れて作りました。
音楽コースの合奏の授業では、実践力を大切にしています。
写真は聚楽学園の皆さまへむけて「レクチャーコンサート(江別市えぽあホール)」の様子です。
「合奏」の授業では、演奏だけではなく、選曲・企画から手掛け、このように地域の方々と直接にふれあいながらトータルな実践力を身につけてゆきます。
日時:11月25日(金)
場所:北方圏学術情報センター ポルト
(地下鉄東西線西18丁目駅 1番出口
徒歩7分)
開場:18:00 開演:18:30
入場無料
~出演~
Euphonium
藤野
一輝 (4年)
大嶋
かれん (3年)
佐竹
真依 (3年)
阿部
春香 (2年)
藤澤
世良 (2年)
石久保
楓 (2年)
細谷
柊太 (1年)
南波
有咲 (1年)
Tuba
伊藤
泰敬 (3年)
北川
麻莉 (3年)
中村
優斗 (2年)
針生
透磨 (1年)
指揮・指導
千葉 圭説(北翔大学准教授)
曲目
HIGASHI-NISHI/John
Stevens
Antepenulitimate Tango /Kenyon
Wilson
Bass Is Loaded/Michael
Forbes 他
山下ゼミと特別支援ゼミ混合チームは、腹ぺこのクマさんを助けるために折り紙できのこを作成しました。
最後は色とりどりのきのこを背景に記念撮影を行いました。
10月11日の11時から、札幌コンサートホールkitara主催『0歳からのkitara、感じよう!音とリズム♪(kitara小ホール)』が開催されます。第2回となるこのコンサートで北翔大学音楽コースが約1時間の演奏を担当します。この未就学児とその保護者のための”ミニコンサート”は,応募はがきでの申し込みで、すでに9月23日に締め切られています。観覧無料!さらに、演奏中に”お子様が泣いてもOKです!”とあるように、とても珍しくて貴重なコンサートです。当日、客席とステージで作り上げる音楽会を、音楽コースの学生も教員も、とても楽しみにしています。(鈴木しおり)
大学は夏休み。しかし4年生にとっては、卒業論文に取り組むための大事な期間。
大学での学びの集大成となる。
真剣だ。
将来 保育士を考えている人は 大学4年生に限らず、1年生から どんどん参加することをおすすめします。4年生になってからではなく、早い段階から考えていくことで、大学での学びも内容も違ってくると思います。
(山崎正明)
詳しくは 札幌私立幼稚園連合会
幼稚園といっても その経営理念によって園の教育内容もかなり違ってきます。自分に向いている幼稚園はどこなのか、そういったことを考えるためにも、こうした説明会の意味は非常に大きいものがあります。
大学4年生に限らず、1年生から どんどん参加することをおすすめします。大学の早い段階から希望進路を考えていくことで、大学での学びも内容も違ってくると思います。
なお、この会に参加して、複数の幼稚園の説明を受け、これをきっかけに、就職先を決めている人もいます。人生を左右するような出会いでもあります。
(山崎正明)
ここに企画した研究会は小学校や幼稚園の先生を目指す人に強くお勧めします。この研究会は 北翔大学のポルト美術研究グループと美術による学び研究会の主催によるものです。
詳しくは「美術による学び研究会」をごらんください。
(山崎正明)
9月11日のオープンキャンパスは、体験授業を一つ増やして5つ実施します。内容は体験的な内容を中心にしています。お楽しみに!また、好評の「学科相談」ですは 今回は北翔大学 OBの小学校の先生(新卒2年目)にも来ていただき、高校生の方が、大学の先生とはまたちょっと違う視点から相談できるようにしました。
前回のオープンキャンパスから「体験授業」や「学科相談」の様子。
teamPAL:Cは主にオープンキャンパスを運営しているサークルです。学生同士の仲がとても良く楽しく活動しています。まだ1年生なのでわからないことがたくさんあり大変ですが先輩方が優しく教えてくれるのでとても楽しいです。
(幼児教育コース1年佐藤優)
*佐藤さんは PALCはもちろん、講義やボランティアなども頑張っている学生です(教育学科 伏見千悦子)
(Rihwaの Youtube チヤンネルより)
北翔大学CMソング「Whipper」の撮影のワンシーン。
学内発表会を終えての記念写真。
保育士の資格が必要な方々のために北翔大学で開設している「保育士資格取得特別講座」が、この時期集中的に行われています。写真は現在幼稚園教諭をしている黒田さん。
勤務している幼稚園が 認定子ども園になるため 受講しています。こうして卒業が来てくれるのはうれしいことです。
講師はもと北翔大学教授の舟橋安幸さん。講義はみなさんの楽しい笑い声からスタートしていました。
黒田弥里さんの言葉(函館西高等学校卒)
「3年前に大学を卒業し、今は函館市内の幼稚園で働いています。大学の講義で学んだことや実習の経験を活かして毎日楽しく子供たちと関わっています。子供の成長を一番近くで感じられるこの職業は本当に素晴らしいです。勤めている園がこども園化することになったので保育士資格取得のため、大学に講座を受けに来ています。大学を卒業してからも資格取得のサポートをしていただけてうれしいです。」
講師の舟橋先生から
「保育士資格取得特例講座」講師舟橋安幸〜黒田さんは学習コーチング学科を2013年3月に卒業しました。大学での4年間はいつも真剣に学び、明るく元気いっぱいに過ごしていたことを思い出します。今回思いがけない再会できましたが幼稚園教諭として大きく成長した姿を見ることができ大変うれしかったです。
(舟橋先生は、以前北翔大学の教授をされていて、いまは講師として現役大学生はもちろん、こうして卒業生もご指導いただいています。)
3年生からはじまるゼミ。そのゼミによって様々な特徴があります。活動の内容も、学びの内容も、違います。そこが、とても面白いのです。
土曜日の午後、大学生が教室でひとり何かに取り組んでいます。幼児教育コースの3年生が8月からの教育実習に向けて事前準備として教材をつくっているところです。
準備は、講義だけではなく、いろいろな場所で、いろいろな方法で、いろいろな人数で、自分のあった方法で自分のペースで進めています。よりよい教育をめざしている姿、いいです。学び続ける教師は理想ですね。
幼稚園の先生になるために「教育自習」にいく。けれども、それだけでは足りないと思うから、幼稚園のボランティアに行ったり、幼稚園の主催の研修会に自主的に参加したり。それでももっと学びたいと思う学生たち。幼児教育の深さがわかってくると、そのような気持ちが強くなるのだろう。この写真はゼミ活動の時間帯に幼稚園に伺い、預かり保育の子どもたちと活動しているところ。北翔大学でいつもお世話になっている大麻幼稚園での一場面。
前回の活動について、指導案をもとに反省をしているところだが、学生の質問に園長先生自らが丁寧に答えてくださる。なんとありがたいことか。
幼稚園教諭を目指してこうして積極的に学ぶ。講義の講義の合間をぬってのこうした活動だ。このあと彼女たちは大学に戻り、講義の試験を受ける。
充実した大学生活をつくっていると思う。「教育実習」はもちろん、こうした学生の学びをささえてくださる幼稚園の先生にひたすら感謝である
「保育内容(表現)」の講義について学生のみなさんは「振り返り」をしているのですが、その中から詳細にレポートしてくれた青木さんのものを、全文紹介します。
なお、青木さん(苫小牧南高等学校卒業)は北翔大学短期大学部こども学科からの編入生ですが、編入前に2年間オーストラリアで学んでいます。将来はオーストラリアで就職することを考えています。
講義には大変熱心に取り組んでいます。では以下の青木さんのレポートを紹介します。
保育内容(表現)「講義を振り返って…」
4年 青木 麻綾
この講義では、第1回から第7回の講義までは伏見先生と、そして第8回目以降からは山崎先生と保育内容(表現)について学習してきました。いつもこの講義では感覚を使っての学習だったため、活動が多く、とても楽しく講義に取り組むことができたとともに、遊びの題材の展開や子どもの作品の見方などを知らず知らずのうちに気付き、学ぶことができました。
第1回から第7回の講義では、学生同士で色々な遊びを行うことで、沢山の表現遊びの題材、遊びを通して変わっていく学生同士の関わり、繰り広げられる遊びの中で自然に工夫して行われている表現遊びの展開を実感を通して目の当たりにすることができました。例えば編入性の私は、この講義の学生たちを知らなかったため、人見知りな私の性格も手伝って、最初はなかなか遊びに入りきれずにいました。しかし自然に遊びの中で協力したり、声を掛け合ったりすることでぐっと距離が縮み、今では廊下ですれ違ったら挨拶をしあったり、会話をしたりするようになりました。このようにたった週一回の表現遊びによって起きた人間関係の変化の大きさに私はとても驚きました。人と人とが近づける表現遊びをするには、遊びの提供をする保育者の配慮や環境設定が大切だと思いました。伏見先生が私たちにした遊びの展開を略案に書き下ろすことで、具体的にどのようなところを気を付ければいいのかがわかりました。例えば、遊びの展開をひとつひとつ事細かに指示をあえてせず、学生(子ども)たちでその遊びを展開していけるような間や声かけ・時間配分の配慮や、一人一人が遊びの主人公になれるような環境づくり(前に出てタンバリンを叩く役を学生にさせるなど)、そして学生(子ども)同士で協力できるような適当な難関さの提供などです。また一つの遊びを展開していくことで、遊びの深さも学ぶことができました。子ども役が学生で上記のようなものが見られたということは、子どもならもっともっとダイナミックな成長や表現・工夫が見られると感じました。
第8回目以降でも、学生が活動する場面が多くあり、自然な学びをすることができました。特に印象に残っている学習は美術鑑賞についてです。アートカードゲームや鑑賞授業の実際のビデオ、そして子どもたちの絵や作品鑑賞をしたことが印象に残っています。アートカードゲームでは一見遊んでいるだけのようですが、自然に「この絵○○だね」などと美術鑑賞をしており、教師が「この絵はこういった絵なんだよ」と鑑賞して感じるべき結果を押し付けるものではなく、自分たちで感じることに重点を置いて進められているものでした。そして鑑賞授業のビデオでも、子どもたち一人一人が自分の感じた意見を持てるような時間や環境の設定などがとても考えられているものでした。そしてなにより子どもたちの自由な意見を引き出し、受け止め、それをまとめながら構造化して展開していく授業の的確さは本当に学ぶべきものが多かったです。そして私たちが子どもたちの作品鑑賞をすることで子どもたちの広い発想力と自由な表現に感動するとともに、思わず微笑んでしまうような素敵な可愛さもあり、とても癒されました。子どものころの絵ならではのたくさんの素敵な作品を、どのように保育者・教師が受け止めるかが子どもの先々の美術が嫌い・美術好きになるかに大きく影響すると感じました。子どもたちに美術鑑賞学習をどのように提供するかも大事ですが、私たちがまず子どもたちの作品をどのように鑑賞するかが大切であると感じました。子どもたちならではの、秘めたる才能を知ること・信じること・受け止めること。それらができて初めて良い美術鑑賞学習を提供できるのではないかと思います。その他にも洗濯バサミや紙コップで自由に行う表現遊びや子どもたちの成長に沿った表現に視点を置いた成長のビデオなど、学習の幅が広く様々なことを学ぶことができました。そして今私がこの授業で気になっているものとして、「P4C」と「ちいさな哲学者たち」があります。これらは是非観て、今後の自分の成長に繋げていきたいです。
(山崎 補足)なお、P4C とは Philosophy for children (こどものための哲学)のことです。以下が、その紹介動画。講義を受けた学生から反響がありました。実は、9月16日、17日にこの会の方々といっしょに研究会を開催します。シンポジウムとワークショップを開催します。北翔大学の北方圏学術センターポルトで開催します。
詳細は 「美術による学び研究会」
本日「保育内容(表現)」の講義が終わりました。全員で講義の振り返りをおこないました。互いの顔を見ながら発表し合いました。学びあうことはとても大切で、おもしろいことです。さらに、この学び合うことを通して、この「幼児教育コースの仲間とともに学ぶことの喜び」を感じている学生もいます。素晴らしいと思います。単に、講義が楽しいからとかそんなことではなく、大学生活のあらゆる機会で、こうしたコースの雰囲気をつくってきたのだと思います。この写真の表情の見てください。一人の発表を本気で聴いています。こんな学生が北翔大学の誇りなのだと思います。以下に、講義を通しての感想を一部紹介します。
◯この講義は私にとって「ハッ」とする内容ばかりでした講義を受ける前と今では幼児の造形活動に対する考え方は全く異なるものになりました。幼児の造形活動において最も重要なのは「自由」と言うことだと思います。だからといって、子供の活動を、ただ単に自由にすることではなく、保育者や、周りの大人が幼児の造形活動のあり方をしっかりと理解した上で、よりよい環境構成を作り出す必要があると考えました。
大人になるにつれて子供の頃忘れがちになってしまいますが、そんな時ほど、大人でも絵をかいたりものを作ったりすることで、子供のように夢中になれるような気がしました。幼児でも大人でも造形活動の力は凄い。
人と接したり物事を考えるうちに目から目線なものの言い方や考え方が知らず知らずのうちに身に付いてしまいがちな大人ですが、子供の先を見るときにそんな目線は必要ない。この講義でたくさんの言葉を学ばせていただきました。一瞬一瞬の先生の言葉や学生のみなさんの言葉が私を成長させてくれました。
◯私は絵がとても好きなので実際に子どもが描いたりする場面を見ることができてとてもよかった。子供の絵は自分がかきたいことをそのまま表現していて伝わる絵が多かった。純粋だからこそ描ける
絵があるんだと思った。
講義の中で机をくっつけて全員で幼児のを見て発表している姿を見て幼教(幼児教育コース)の皆は本当に子供が好きなんだなぁと感じた。発表しているときの表情が笑顔でとても楽しそうだった。幼教全員で保育士や幼稚園教諭等の免許資格を取り卒業したい!!!ありがとうございました。
◯この講義では子供がとても楽しそうに笑を書いたり工作する映像を見せてもらいました。うらやましいなと思いました。こういった子供の思いや意欲を潰さない教育はどうやったらできるだろうと思ってこの講義を受けるようになりました。いま、それを少しは掴むことができるようになってきました。
◯この講義で子供の発想力や思考力もとても大切だと思いました。心豊かに子供たちが自由に描いたり作ったりする作品には楽しさやうれしさ等を感じ取ることがたくさんありました。私は保育所の時、作品を作ること工作が苦手で、皆より遅れて、家に持ち帰って作ったこともありました。その時できなくて、できなくて悔しくて泣いていたことを今でも覚えています。ですがこの講義を受講して、できなかったり作品の完成が遅くなってしまうのも1つの個性なのかなと感じました。(山崎補足〜実は遅くなるのにもその子なりの理由があるのです。子供の理由がわかると待つことの大切さもわかったりします。)
◯本(美育文化「ポケット」)などを読んで、先生の取り組み方の姿勢で子供の学びの質が変わることがよくわかった。
◯同じ講義を受けていてもそれぞれ学ぶことが違うので1人で学ぶことはもちろん、みんなで学び合うことが大事だと思いました。大学の中にいると実際の保育現場のことが学べないので幼稚園のビデオや子供が描いた絵はとても新鮮でした。勉強もたくさんしていかなければならないけれども子供と直接触れ合う機会も大事なのでボランティアなどに積極的に行き、子供との体験を積み重ねたいです
◯子供の絵は見ただけじゃわからないことがたくさんで、すごく発想豊かです。子供とのコミニケーションを通してどんな意図があってかいたものなのか聞いてみたいと思いました。保育士になっていろいろな子供がいると思うけれどそれぞれの子どもが描きたいと思えるようなものを提案してあげられるような先生になりたいと思いました
◯自分が幼稚園だったのはもう10年以上も前のことだし、その時の記憶はもうあんまりなくて、頼りになるのは今の子供の部屋活動の様子でした。この講義ではそういう機会が多く、また教育的な観点で見ることができたので面白かったです。きっとそういう観点で見なかったら子供の絵を見ても「すごいね」と言う表面的な言葉しか見つからなかったと思うし、それは子供の成長にも影響与えてしまうことを改めて感じました。先生の関わり方で、よくも悪くも子供の成長させていく凄く難しい仕事なのだと思いました。ですから、もっともっと広い経験をして、「引き出し」を増やしていきたいと思いました。そういう面ではこの講義は本当にためになったし、もっとこのように生の子供の作品を見る機会を作って欲しいと思いました。(山崎補足〜子供の感じたり、考えたりしていることが講義でより感じ取ってもらえる努力をしていきます)
◯保育内容表現の講義を受けてみて実習の前にたくさんのことを知りました。普段見れない子供の笑顔見れたのが一番嬉しかったです。子供がうれしそうに絵ををかいている姿が浮かんでいました。また、この講義はみんなの意見、感想が聞けるので、自分とは違うことが聞けて「そのようなこともあるんだな」と勉強になりました。みんなでテーブルに集まるというのは何故かワクワクして楽しかったです。子供も普通に座るんじゃなくて円になって座ったりしたほうが楽しさが増すのではないかと思いました。
(山崎正明)
北翔大学内の図工室(137教室)の周辺には名画の複製画を展示しています。
教育学科のみなさんが、やがて教員になったときに、園や学校、施設などでもこどもたちのために、このような環境づくりをしてほしいと願っています。絵を飾ることは、こどもたちに、若いうちからよもに触れてくださいね、というメッセージでもあります。掲示されているものは各学校に配布される教材カタログでとりあつかわれているものが中心ですから、入手しやすいです。
なお、作品の下に小さく作者名が書いてあります。社会人の教養としても知っておきたいものです。なお、教員採用試験にも絵画に関する知識を問うものが出題されています。でも、本当は、教養としてとか、試験があるからとかではないのですけど、、、時々、絵を見ている学生の姿を見ます。素敵な姿です。
(山崎正明)
どの大学を選ぶか、それは、これからの人生に大きく影響します。ぜひ、北翔大学のオープンキャンパスに来てください!実は、北翔大学のオープンキャンパスに来て、北翔大学に決めたという学生が多いのです。「教員採用試験の合格実績」が北翔のよさとしてとらえられていますが、それだけではありません。それ以外の部分にもぜひ、触れてほしいと思っています。3年生だけでなく、1年生、2年生も大歓迎。
教育学科では、ミュジカルの鑑賞をおこなっています。
7月7日 劇団四季のビキッドを鑑賞してきました。
(岡元眞理子)
「社会科指導法」の模擬授業の様子です。
実際に小学生に教えることを想定してみんなで授業を考えます。教師を目指しているだけに真剣です。
この模擬授業をするために家でも準備するなど非常に意欲的です。
(中川洋一)
(この写真については、FMノースウェイブさんから掲載の許諾を得ています。)
「現代生活と芸術」の中で、札幌民謡連盟のみなさんの演奏を大学生に聴いてもらいました。民謡は知ってはいるけれど、じっくり聴くのは初めてという大学生がほとんど。民謡を聴いているときの大学生の表情を見ていると、そのよさを主体的に味わっている学生が多いことがわかります。「現代生活と音楽」ということを考えたときに、どうしても耳に入ってくる音楽は商業的なものが中心になりがち。こうした伝統的な文化としての音楽には触れる機会がすくないだけに、この時間は価値ある時間になったでしょう。北翔大学の講義では、こうして感性を豊かにするようなものも大切にしています。音楽コースがあったり、芸術学科がある大学ですので、そのよさも生かした講義をめざしています。ちなみに、この講義は教育だけではなく、スポーツや心理の学生も受講しています。
北翔大学は、近くに野幌原生林もあり、豊かな自然が身近にあります。この写真は大学の中庭の巣で育ったセキレイのひなたちです。元気に巣立っていきました。こんな場面に出会うと優しい気持ちになります。
(写真 佐藤朱美)
佐々木 邦子3・4年ゼミ活動の紹介
2016年7月9日「北海道教育大学付属札幌小学校研究大会出席、北海道近代美術館鑑賞」
北海道教育大学付属札幌小学校研究大会では、付属小学校の先生方の各科目の授業を見学し、発問、板書など児童生徒にわかりやすい授業展開について、大いに勉強をさせていただきました。
研究大会会場で、勉強に来ていた今春本学科を卒業し札幌市内の小学校に勤務しているゼミの先輩と偶然会い、午後は一緒に北海道立近代美術館に行き、午前中他の授業で博物館見学に出向いていた4年ゼミ生とも合流して「ポーラ美術館コレクション」と常設展を鑑賞しました。いずれも小学校教員を目指す学生にとって大切な体験です。
「保育内容(表現)」の講義の中で、自分のつくったものについて、語たりあう場面がありました。一人の学生のその語りに心動かされました。その語った内容を文章にしていただきました。
(山崎正明)
現在札幌市西区にある宮ノ丘幼稚園に勤めながら教育文化学部教育学科で幼稚園教諭1種免許状を取得するために科目等履修生として講義を受講しています青木有斗です。学生時代には幼稚園で働く事はまずないだろうと思い、幼稚園免許に必要な科目の受講を途中でやめてしまったのですが、大学院生の時に宮ノ丘幼稚園と縁があり、今の園で働いています。園長先生のご厚意もあって今年度の前期の間、講義を受けさせていただけることになりました。残すところあと、わずかというところで今回の「保育内容(表現)」の講義での活動で「(ケント紙に)模様をかいてみよう」というものがありました。最初はなんとなく線を描いているだけだったのですが、描いているうちに不思議と描いている線が一緒に講義を受けている学生たちと重なり、どこかで全ての線がつながっているようなイメージが湧いてきました。彼らはいつもみんなで活動を楽しんでおり全体の雰囲気がとても明るいのです。仲間と何かを成し遂げることの楽しさを知っている人や自らが活動を楽しむことのできる人はきっと素晴らしい先生になるだろうと思います。これからの学生生活の中で、教育実習や卒業論文等乗り越えなければならないことがたくさんあると思いますが、全員が1つの線となって困難に立ち向かっていけるだろうと思いますし、そうなるよう期待しています。そんな素晴らしい学生たちと一緒に学べたことに対する感謝の気持ちを込めた作品となりました。そんな彼らとこの先、同志として一緒に仕事ができる日が来るのを心待ちにしています。充実した半年間を過ごさせていただきご有り難うございました。
(山崎より)青木くんのメッセージ、とてもあたたかいです。幼児教育コース2年生のみなさんがこれまでの大学生活の中でつくりあげてきたよさを、言ってくれています。ありがたいことです。
ゼミ恒例行事をご紹介します。6月末の教員採用検査一次試験が終了したところで、学外実習にでかけました。
(小杉直美)
さる7月9日(土)、北海道教育大学附属小学校で開催された全道教育研究大会にゼミ生が参加しました。3年生は昨年に続き2回目ですが、8月末から開始される教育実習を控えて、真剣な面持ちでした。4年生は将来の職業として明確な進路選択をしていることもあり、参加意欲は未来の姿を想像させるものでした…。
午後は、学芸員資格取得のために北海道博物館へ研修に出かけていた4年生が合流して、北海道立近代美術館へ絵画鑑賞に出かけました。3、4年ゼミ生が一緒に学外実習に出かける機会は少ないですが、大学の座学だけでは得られない学びの機会を多く作りたいと考えています。
7月19日(火)1時間目「現代生活と芸術(2号棟4階、音楽室)」におきまして、札幌民謡連盟の9名の方々が来学され、演奏をご披露くださいます。
今回、授業としても、札幌民謡連盟としても、大学での公演は初めての試みです。連盟の皆さまも大変に力を入れてご準備くださいました。
学生にとりましては、大変に貴重な経験になることと考えております。全体で70分間程度の公演内容です。
(鈴木しおり)
これは、大学4年生の講義(佐々木邦子先生)の風景です。これまで講義で学んできた内容や参考文献などをもとに、それぞれが、学んだ内容を、発表している場面です。
文献などを通し、先行研究から学んでいくなどということは、地味で目立たない活動ですが、研究をすすめていく上では必ず必要になります。こうしたことを通して教育の中でずっと大切にされている思考力・判断力・表現力が培われています。それにしても、この講義は、真摯な態度で取り組みながらも、全体の雰囲気があたたかいのです。北翔大学の学生のよさが、すごくあらわれている場面だと思います。なお、講義の取材のあと、佐々木邦子先生が「学生が本当に伸びています。」って実感として笑顔で語ってくれました。
「美術の教科書」をつくる仕事をしています。教科を通して子供たちにどのような心や力を育てるのかを考えて何年もかけてつくっています。そのことは子供の幸せにつながらなくてはなりません。
現在、その教科書の会社のwebマガジンの連載を担当しています。書いている内容は、小学校や幼稚園にもつながっています。連載記事の3,4回めは幼児教育から学んだことという視点で執筆しました。
(山崎正明)
第7期卒業生の 田代圭です。石狩管内の特別支援学校で新卒後5年間勤務させていただいた後、現在の「北海道中札内高等養護学校」に異動し、生徒たちや周囲の教員からたくさんのことを学ばせていただいています。まだまだ未熟ではありますが、「楽しい」「飽きない」「やりがいを感じる」授業を常に目指して頑張っています。
プライベートでは札幌市内や近辺、帯広市などでフュージョンを中心にジャズ・ロック・ポップス等のバンド活動をしており、SAPPORO CITY JAZZや小樽音座なまらいぶ等、各地の音楽イベントで演奏しています。
このポスターは、北海道内にある5つのジオパーク(洞爺湖有珠山ジオパーク、アポイ岳ジオパーク、白滝ジオパーク、三笠ジオパーク、とかち鹿追ジオパーク)の関係者が一同に集まりブースを設け、各地の魅力をPRするという展覧会を紹介したものです。
北学の横山光先生はもちろん北翔大学の学生もボランティアとして参加します。
こうしたボランティアの活動を通した学びがいかに深いかは学生のみなさんが実感していることです。
教育学科が大事にしている教育の方法として「学習コーチング」というものがあります。その内容を紹介します。高等学校の出前授業での講演内容を掲載しました。
(これは2016年現在のものです。山谷 敬三郎先生は現在、北翔大学 学長です。)
講演「子どものやる気を引き出すコーチング」(要旨)
北翔大学大学院生涯学習学研究科長
山谷 敬三郎
1 ドロシー・ローノルトの詩
みなさん、こんにちは。北翔大学の山谷と申します。今日は、コーチングについてお話をさせていただきます。
最初に、ドロシー・ローノルトという児童文学者の「こども」という詩を紹介します。今日は、この詩だけでも知っていただければ、こどもへの接し方が変わるのではないかと思います。
<「子ども」 作:ドロシー・ローノルト>
批判ばかりされた子どもは 非難することを覚える
殴られて大きくなった子どもは 力に頼ることを覚える
笑いものにされた子どもは ものを言わずにいることを覚える
皮肉にさらされた子どもは 鈍い良心の持ち主となる
しかし、
激励を受けた子どもは 自信を覚える
寛容に出会った子どもは 忍耐を覚える
賞賛を受けた子どもは 評価することを覚える
フェアプレーを経験した子どもは 公正さを覚える
友情を知る子どもは 親切を覚える
安心を経験した子どもは 信頼を覚える
可愛がられ抱きしめられた子どもは 世界中の愛情を感じ取ることを覚える
この詩は、コーチングの考え方と全く同じです。補足資料に「親を同一視の対象とできない子どもたち」と書いてありますが、「親を同一視」というのは、親をモデルにするということです。「同一視」という言葉は、フロイトが使ったのですが、親の無意識の行動が、知らず知らずに子どもたちに影響を及ぼしているということです。
2 コーチングとは
コーチングは、最近、にわかに注目され始めましたが、2000年前後に日本に導入されています。
みなさんは、答えを先に言ったり、指示命令型のコミュニケーションで子育てをしていませんか。それはそれで大切な場合もありますが、指示命令型のコミュニケーションばかりではなく、問答型のコミュニケーションを上手に使うというのが、コーチングの極意です。
「思考」とは、心理学では、頭の中で「問いと答えを連続させる営み」と説明します。例えば、「今日の夕食はどうしようかな?」「昨日の残り物ですませようか?」「いや、それじゃわびしいから、冷蔵庫のあまり物も使おうかな?」「せっかくの土曜日だし外食もいいかな?」というように、一つの問いを立てて、その答えを探す。その答えから、また次の問いを導いていく。その「問いと答えの連続」が、「思考」「考える」ということです。
答えを言うばかりではなく、子どもたちに問いを持たせる問答型コミュニケーションが、子どもに考える力をつけさせることにつながります。教師は問いの専門家です。子どもたちの代わりに、授業の中で発問という形式で子どもたちに考えさせます。問いを持つことができると、自分なりの答えを得ようとして考え始めます。つまり、「やる気や意欲」にもつながります。いつも指示命令をされていると、「指示待ち人間」になってしまいます。
スポーツでコーチングを採用したのは、イチローを育てた仰木監督です。コーチングによる指導を受けた選手は、そうではない選手より、スランプから脱出する期間が短くてすんだと言われています。指示命令型のコーチは、「こうしなさい」「ああしなさい」と選手に伝えます。選手は、コーチから言われたことだけを忠実にやろうとします。結果が出ないと、「どうしたら良いでしょうか」とまた答えを求めます。しかし、仰木監督は、イチロー自身にメニューや練習を考えさせて、実行できるように支援したそうです。
コーチングの極意は、指示命令型から問答型のコミュニケーションに変えること、つまり、問いかけることで、その人の潜在的な可能性を最大限に発揮できるように支援することです。ソクラテスは約2000年前に「産婆法」と表現しましたが、これが、現代では「コーチング」という名前で、さまざまな分野で活用され始めています。
3 コーチングの全体的把握
人間は環境が整うと一生懸命がんばる存在であるという「自己実現の人間観」が、コーチングの基本的な哲学です。また、相手を引っ張り上げるのではなく、「どう支えるか」を考えます。子どもは、自分から動こうとします。私たちは「支える」という姿勢で接する。つまり、子どもたちを信頼することです。そして、できる場面では一緒にやる。単に手を貸すのではなく、「一緒に計画を立てる」「行動する」などの協働関係を持つということです。
次に、問題解決の過程を大切にすることがコーチングでは求められます。これを「GROWモデル」とか、「コーチング・フロー」と言います。夏休みの計画表づくりを想像してください。「朝起きて顔を洗い、午前中3時間勉強して、お昼ご飯食べて午後5時間勉強して、夕飯の後に3時間勉強する。それを25日間続ける」計画を作成しましたが、休みが終わって何もできなかった自分を思い出します。コーチング・フローは、実現可能な問題解決の計画のことです。
まず、現在の状況を明確化します。そして、望ましい状態、目標と言ってもいいですが、それを明確にします。近い目標ならやる気を起こしますが、遠い目標は、なかなか自分の中に位置付けることができません。例えば、「1年間で1000ページの問題集をやる」というよりも、「1日3ページずつやる」という方が、やる気が起きます。大きな目標でなくて良いわけです。現在の状況と望ましい状態を親子で共有したら、その間にあるギャップを生みだしている理由と背景を確認して、どう取り組めばよいか確認します。夏休みの計画表で言えば、行動計画を立てて実践する。無理な計画だったら、子どもの行動を振り返りながら修正する。子どもの話を聞いて応援するだけではなく、実際に何をやるのかを考えるということです。「現状はどうなのか」「どういう形にしたいのか」「その間の解決すべき課題は何か」「こんなふうにやってみようか」ということを整理していくことがコーチング・フローと言われるものです。
4 コーチングのコア・スキル
コーチングの具体的なスキルをまとめると5つに整理することができます。
1つ目は、「質問」のスキルです。思考を促す「問いかけ」を工夫することです。「なぜ?」という聞き方はとても大切ですが、失敗した子どもにとっては、責められている気持ちになります。「何があったの?」に変えるだけで、そうはなりません。そういう問いをうまく使いましょうということです。
2つ目は、「傾聴」のスキルです。子どもの話を受け止めることです。まず「丁寧に聞く」次に「そうだね」とか「分かるよ」とか、あいづちを打ちながら聞く。そして、「子どもの心を理解するように聞く」という姿勢です。
3つ目は、「直観」のスキルです。相手の立場に立って、子どもの感覚を大切にする関わりで、「子どもたちの受け止め方を共有する」スキルです。
4つ目は、「確認」のスキルです。過去の成功例を思い出させ、自信を持たせるために確認します。
最後に、「自己管理」のスキルです。これは、「親がどうやって自分の存在を消すか」「子どもが独り立ちした時に、自分の親はこんなふうに受け止めてくれた」ということが心に残るように、語りかけができるかどうかがポイントです。
①質問のスキル
最初の「質問」のスキルですが、「拡大質問」と「特定質問」を上手に使い分けることです。無口な子どもや初対面の人には、「一問一答式やyesかnoで答える」質問も必要ですが、これだけだと本音を聞けません。答えがたくさんある「拡大質問」つまり、「5W1H」を交えながらコミュニケーションを取るということです。私が経験した例で言うと、面接でなかなか話をしてくれない子どもに、「何か動物を飼っているの?」と言ったら、首を縦に振りました。「ねこ?」と聞いたら、「うん」と言う。その次に「じゃあ犬は?」と聞いた失敗の経験が思い出されます。「猫の名前や種類」をたずねる特定質問をすればつなげていける。自分の余裕のなさが、コミュニケーションを限定してしまったんです。拡大質問と特定質問を上手に使い分けると、コミュニケーションの幅も広がりますし、その子をきちんと理解することにつながります。
2つ目に、肯定質問と否定質問です。私たちは「どうしてわからないの?」というような、否定質問を無意識に使っています。そうではなく、「何からならできるのか?」という肯定質問に切り替える。すると、理解できるところから指導の手立てを編み出すことができます。
3つ目は、未来質問と過去質問です。目標を実現するとこんな素敵なことが広がっているというイメージを持たせるために未来質問を使うと、子どもたちはイメージを持ち、もっと頑張ろうという気持ちになれます。ところが、私たちは、過去の失敗を振り返り、自信を失わせるような語りかけを結構しています。これも、上手な使い分けを意識していただければと思います。確かに、過去の失敗を反省しなければならない場合はありますが、「できるだけ前に進む」「現状をどう打開するのか」を中心に支援すると考えてもらえれば良いと思います。
②傾聴のスキル
次に、傾聴のスキルです。ここでも3つのレベルで整理します。
1つ目の「聞く」は、評価せずに聞く。耳を傾ける、耳を開くというイメージです。「耳」という字が入っています。
2つ目の「訊く」は、訊ねるつもりで訊くことです。あいづちとか、「なるほど」とか「そうだね」という明確化のことばを発する。「言(ごんべん)」が入っています。
3つ目の「聴く」には、「心」が入っています。「感情と思考と意欲」という「心を理解する3つの窓口」を手がかりにして理解する。例えば、カウンセリングの最初の段階では、相談を受ける人は本当に困って、しかも緊張して相談に来ます。そういう感情を、できる限りその人の立場に立って忠実に理解するように努めます。ただ、それだけでは解決策を生み出せませんので、こちらの問いにどういう答えを返すか、逆にこちらにどんな問いを投げかけるか、それによって、その人の考え方、思考を理解するように努めます。もうひとつは、意欲です。意欲とは、「意思と欲求」が合体したものです。例えば、「今、私はのどが渇いてきています。」これが欲求です。目の前にお茶があります。飲みたいです。しかし、ここでゆっくりお茶を飲む時間はないし、皆さんへの心象も悪くなるから「我慢しよう。」という意思が働いて飲まないわけです。私たちは、欲求のままに行動するのではなく、意思を働かせて行動を決めています。その人の意思や欲求を理解することで、その人の心を理解することにつながります。
③直観のスキル
次に、直観のスキルです。直観とは、「感覚的印象」のことです。例えば、虹を見たら「キレイだなあ」と感じます。そこから子どもは、「虹ってどうしてできるの?」と、学習する内容を得ます。こうした感覚的印象を、直観といいます。「おかしいな?」や「ビックリした!」でもいいです。年齢上がるにつれて、徐々に直観を表だって口に出して質問したり、こだわったりしなくなりますが、子どもたちは、私たちが普段見過ごしていることに、とても敏感に反応しています。そうした直観を上手にとり上げるということです。夕食の準備中で「てんぷらを揚げている」時に、「お母さん、これなあに?」と聞いてきても、てんぷらの火を消してまで子どもの話題に乗ることはなかなかしないと思います。しかし、子どもの感覚的印象を大切にした関わり方をしてあげると「子どもに考えさせる」、つまり、「問いを持ち主体的な学習態度を形成させること」に結びつきます。また、子ども自身の自己理解を深める問いかけを活用してほしいということです。すぐに答えを言わないということです。一生懸命になって聞いてあげる姿勢を、大切にしてほしいと思います。特に、男性の方は奥さんが美容院から帰ってきても無関心ではいけません。逆に、お父さんが一生懸命身だしなみを整えているのに、奥さんが知らないふりをしていたら、お互いの関心が薄れていることの証拠です。お互いが気づくことが大切です。直観のスキルは日常生活でも活用したいところです。
④確認のスキル
次に確認のスキルです。その人にとって大切なことを確認してあげることです。未来の確認、目標の確認、そして現在の確認です。特に、過去の確認では、過去の失敗をくどくど言うのではなく、「あの時、こんなふうにがんばれたよね」と言えば、自信につながります。私たちには似たような体験があることでも、子どもたちにはほとんどが初めての体験ですから、どう自信をもたせるかを考えなければいけません。「子どもの中にある可能性を信じさせること」「君ならできる」「やり遂げられる可能性がある」ということを、言葉でフィードバックすることが、自信につながります。そのためには、過去の成功体験を導き出すことです。これができるのは、どちらかというと父親よりも、やはり身近にいる母親でしょう。そして、学校の先生の言葉がけが重要です。子どもたちは少しずつ、自分の中にある可能性を信じて自信を持つことにつながります。
⑤自己管理のスキル
最後に、自己管理のスキルです。これは、子どももそうですが、特に保護者の皆さん方に身につけていただきたいスキルです。
私たちは、頭の中でいくつかのことが重なると、子どもの話をなかなか真剣に聞けません。頭の中を整理することが必要です。気になっていることがあったら、いったん紙にメモするなどです。実は、明日は大学院の試験があります。会場の確認のために、急いで帰らないといけません。5時半までに大学に戻らなければなりません。帯広から大学まで3時間はかかりますから、「5時半までには無理だとはあきらめよう。」でも、6時に着いた時に、「待っている人にきちんと謝ろう」と頭の中で考えると安心して運転して帰れます。気になっていることを、いったん頭から脇に置くということです。
2つ目に、感情のコントロールです。感情を抑圧したり、頭の中で同じことを考えている時は子どもの話は真剣に聞けません。できれば、夫婦間で、あるいは同僚や友人に、自分の感情をいったん言葉にして表すだけで、気持ちが少し楽になります。PTSDという、大きなショックを受けた人が、自分からつらい思い出を口に出せるようになると、心の傷が少し回復した印とも言われます。自分の感情を他人に伝えると心の安定につながります。そういう形で自分の感情をある程度セーブすることが、コーチや親、教師に求められます。
最後に、体調管理と聴く姿勢です。子どもたちの目を見ながら聴くのですが、凝視するようなコワイ目つきではなく、優しく見ながら話を聞くことです。鏡を見ながら自分なりに練習をしてみてください。お互いに目を見るとなると、どうしても緊張してコワイ目つきで見てしまいます。普段、練習をしていただけると良いと思います。
5 コーチングの活用
日常的な場面の中で、具体的にどのようにコーチングを活用していくのかは、補足資料にも具体的に説明してありますので、後ほどご覧いただきたいと思います。簡単に項目のみを紹介します。
1つ目に、「活動や努力を認めてあげる」ことです。身近な私たちが、その子の能力や努力をきちんと見るような関わり方をするということです。
2つ目に、「応答性ある環境にしてあげる」ことです。子どもたちが何かを聞いてきたら、聞きたい主題だけは、確実に聞いてあげてください。例えば、学校の先生方が打ち合わせの時間が迫っている時に、「先生、相談があるんですけど」と聞いてきたときは、「ごめん、会議あるから後にして」と対応してしまうと、いじめの発見に遅れをとることにもなります。「どうした?」と、テーマだけは聞いてあげてください。「算数の問題の分からないところがあって」と聞いてきたときは、「そうか、これから会議だから、いついつ、もう一回話するからおいで」と対応してほしいのです。あるいは、お母さん方がてんぷら揚げています。子どもが「お母さん、ちょっと話したいんだ」と聞いてきたときは、「今ダメ、てんぷら」と言って、ズバッと切らないでください。「どうしたの?」と主題だけは聞いてあげてください。「今日、算数の授業で分からないところがあったの」と言ったときは、「今、てんぷらが大事」でいいです。「いじめがあった」と訴えた時は、てんぷらの火をいったん消して聞いてください。きちんと分けながら聞くことが大切です。私の失敗談ですが、息子が小学生の時に、急にかしこまって「父、ショチョウって何?」と。私は応答性のある環境にしようと思って、「いいか、世の中には会社というものがある。一番偉い人を社長という。会社の次に、だいたい支社を置くんだ。支社の一番偉い人のことを支社長という。支社にはだいたい営業所というのがあって、そこで一番偉い人のことを所長という。」と、長く説明したんです。息子は、すくっと立って、蔑むような目つきをして、台所に行ったんです。母親が「それはね、女の子が赤ちゃん産めるようになった最初のしるしよ。」と応えました。冷静に考えたら、小学校5年生の男の子が、営業所長のことをきくわけがありません。でも良かったのは、「そういうことは母にききなさい」と、たらい回ししなかったことです。もしくは「そういうことに興味を持つのはまだ早い」と拒否するとか。人格に不安を持たせるような拒否の仕方をしたら、子どもはもう二度と、興味を持ったことを聞いてきません。隠れて自分で解消しようとします。誠実に答えることです。分からなければ、一緒に調べてみようでいいんです。そうした姿勢を見せることが大切です。
3つ目に、言葉遣いを大切にすることです。言葉は思考と関係します。丁寧な言葉、長い言葉をぜひ使ってください。
4つ目に、その子の夢や希望をその子の個性と結びつけて応援してあげれば、その子は絶対に不安に立ち向かっていきます。「ケーキ屋やりたい」といった子どもに、「お菓子作りがとても上手だから絶対に素敵なケーキ屋さんになれるよ」と応援してあげるということです。
最後に、子どもたちの思いや気持ちを汲み取ることです。子どもたちの思いや気持ちを汲み取って接してあげると「自分のことを理解してくれている人が自分にはいるんだ」という思いが心に生まれます。これは他人に対する「優しさや思いやりの心」を育むことに結びつきます。
ここまで、早口でお話しして申し訳ありませんでした。今日は、コーチングの基本を理解していただければと思ってお話をさせていただきました。また機会がありましたら、詳しく説明したいと思います。ご静聴に感謝申し上げます。どうもありがとうございました。
本学の千葉圭説先生が、釧路明輝高等学校の吹奏楽部を訪問しました。
もし、訪問を希望される高校生がいらっしゃいましたら、顧問か高校の先生を通じて北翔大学まで、ご連絡いただければと思います。
北翔大学では、毎年、卒業生で教員として活躍されている方を対象として「現職教員研修会」を開催しています。
過去の北翔大学現職教員研修会
第1回 平成22年8月10日(火)
講演 『我が国の教育課題』 学校種別分科会・懇親会
第2回 平成23年8月6日(土)
講演 『現代教育の課題に迫る』 学校種別分科会・懇親会
第3回 平成24年8月11日(土)
講演 『現代教育の課題に迫る』 学校種別分科会・懇親会
第4回 平成25年11月2日(土)
講演 『学校現場と発達障害を考える』 学校種別分科会・懇親会
第5回 平成26年10月4日(土)
講演 『教育機関における危機管理』
学校種別分科会・懇親会
第6回 平成27年9月17日(土)
学校種別分科会・施設見学・懇親会